2025年10月21日、日本初の女性首相として高市早苗内閣が発足しました。この新内閣で法務大臣に就任したのが平口洋氏です。
77歳での初入閣は異例ですが、建設省(現国土交通省)での長年の行政経験と、6期にわたる衆議院議員としての実績が評価されました。特に注目されるのが、官僚時代に秋田県警察本部長を務めた経歴です。
本記事では、平口洋氏の経歴と秋田県警本部長時代について詳しく解説します。
平口洋氏のプロフィール
- 氏名: 平口 洋(ひらぐち ひろし)
- 生年月日: 1948年(昭和23年)8月1日
- 年齢: 77歳(2025年11月現在)
- 出身地: 広島県安芸郡江田島村(現・江田島市)
- 現住所: 広島市西区己斐本町
- 学歴: 広島学院中学校・高等学校卒業、東京大学法学部卒業(1972年)
- 留学: ペンシルベニア大学大学院
- 所属政党: 自由民主党(旧茂木派)
- 選挙区: 広島県第2区(広島市西区・佐伯区・廿日市市・大竹市)
- 当選回数: 6期
- 現職: 法務大臣(第111代)、自由民主党広島県支部連合会長
建設省時代のキャリアと秋田県警本部長
建設省入省から秋田県警本部長へ
平口洋氏は1972年4月に建設省(現・国土交通省)に入省しました。入省後は河川行政や地方建設局での勤務を経験し、在職中にはペンシルベニア大学大学院に留学して国際的な視野を養いました。
建設省のキャリア官僚として順調に昇進を重ね、中部地方建設局総務部長などの要職を歴任しました。その後、建設官僚としては異例のポストである秋田県警察本部長に就任しました。
秋田県警本部長時代
秋田県警察本部長は、秋田県警察のトップとして約2,000人の警察官を統括する重要なポストです。建設省から警察本部長への出向は、当時の省庁間人事交流の一環として行われていました。
平口氏の秋田県警本部長時代の具体的な時期については公開情報に明記されていませんが、建設省在職中の1980年代から1990年代にかけての期間と推定されます。この時期、地域の治安維持や警察行政の運営に携わり、行政官としての幅広い経験を積みました。
秋田県警本部長としての経験は、後の政治家としてのキャリアにおいて、法務・治安分野への深い理解につながっています。
建設省での最終キャリア
秋田県警本部長を務めた後、平口氏は建設省に戻り、さらなる要職を歴任しました。
- 日本道路公団総務部長: 道路公団の管理運営に携わり、日本の高速道路網整備に貢献
- 建設省河川局次長: 河川行政のナンバー2として、治水・利水政策を担当
2001年に国土交通省(建設省から改組)を退官するまで、約29年間にわたり国土づくりと公共事業に尽力しました。
政治家としてのキャリア
衆議院議員への転身
2001年に国土交通省を退官した平口氏は、政治の道を志しました。
- 2003年: 第43回衆議院議員総選挙に広島2区から無所属の会公認で立候補するも落選
- 2005年: 第44回衆議院議員総選挙に自由民主党公認で再挑戦し、初当選
- 2008年: 平成研究会(津島派)に入会
以降、2024年の第50回衆議院議員総選挙まで6期連続で当選を果たし、広島2区の代表として地域に根ざした政治活動を展開してきました。
主な政治経歴
平口氏は衆議院議員として、特に法務分野と国土交通分野で重要な役割を果たしてきました。
法務分野
- 法務大臣政務官(第2次安倍内閣)
- 法務副大臣(第4次安倍第1次改造内閣)
- 衆議院法務委員長
法務副大臣時代には、司法制度改革や再犯防止政策の推進に取り組みました。秋田県警本部長としての経験が、治安・司法分野での政策立案に活かされています。
その他の要職
- 環境副大臣(第3次安倍第1次改造内閣)
- 衆議院農林水産委員長
- 衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長
- 自由民主党政務調査会副会長
- 自由民主党国土交通部会長
- 自由民主党厚生労働部会長
- 自由民主党副幹事長
- 自由民主党報道局長
建設省時代の経験を活かし、国土交通部会長として公共事業や防災・減災政策を推進しました。また、報道局長として党の広報戦略にも携わりました。
高市内閣での法務大臣就任
2025年10月21日、高市早苗内閣が発足し、平口氏は第111代法務大臣として初入閣を果たしました。77歳での初入閣は異例ですが、法務副大臣や法務委員長としての豊富な経験が評価されました。
法務大臣就任にあたっての訓示では、「法の支配」と「人権尊重」を基本理念とし、被害者支援と加害者の更生支援の両立を目指す姿勢を示しました。
平口洋氏の政治理念と人物像
平口氏は、「公正と信義」を座右の銘とし、実務重視の政治姿勢で知られています。
政策の特徴
- 法務・司法改革: 「罰する司法」から「立ち直らせる司法」への転換を提唱
- 防災・減災: 国土強靭化の推進と災害に強い国づくり
- 環境政策: 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み
- 地域重視: 地元広島との強い結びつきと地域密着型の政治活動
人物評
官僚・議員仲間からは「温厚で誠実」「調整力に優れる」と評価されています。声高な主張よりも実務と結果を重んじる「静かな情熱家」として知られ、与野党を問わず信頼を集めています。
趣味は書道で、特に「信」という文字を好んで揮毫し、「信頼こそ政治の基盤」と語っています。
まとめ
平口洋氏は、建設省での29年間の行政経験、特に秋田県警察本部長としての異色の経歴を持つ政治家です。官僚時代に培った実務能力と、6期にわたる衆議院議員としての政治経験を兼ね備え、法務分野を中心に幅広い政策領域で活躍してきました。
2025年10月に高市早苗内閣で法務大臣に就任し、77歳での初入閣という異例の経歴ながら、その豊富な経験と実務能力が高く評価されています。今後、司法制度改革や再犯防止政策の推進において、どのようなリーダーシップを発揮するのか注目されます。



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