ニデックの社長として注目を集める岸田光哉氏。ソニー出身という異色の経歴を持ち、わずか2年でニデックの社長に就任した実力派経営者です。本記事では、岸田光哉氏の学歴から現在に至るまでの経歴を詳しく解説します。
この記事でわかること
- 岸田光哉氏の出身大学と学歴の詳細
- ソニー時代の39年間におよぶ豊富なキャリア
- ニデック入社からわずか2年で社長就任に至った経緯
岸田光哉氏のプロフィール
岸田光哉（きしだ・みつや）氏は、1960年2月生まれで香川県出身の経営者です。2024年4月1日付でニデックの社長兼最高経営責任者（CEO）に就任し、現在65歳（2025年12月時点）で同社のトップとして活躍しています。
基本情報
- 生年月日: 1960年2月7日
- 出身地: 香川県高松市
- 現職: ニデック代表取締役社長執行役員（CEO）
- 就任: 2024年4月1日
岸田光哉氏の学歴
京都大学教育学部卒業
岸田光哉氏は、1983年3月に京都大学を卒業しています。具体的には京都大学教育学部を卒業しており、日本を代表する名門国立大学で学んだ経歴を持ちます。
京都大学は日本屈指の研究型大学として知られており、自由な学風の中で幅広い教養と専門知識を身につける環境が整っています。教育学部での学びが、その後の「人を中心にした経営」スタイルの基礎となっていると考えられます。
ソニー時代の経歴（1983年〜2022年）
入社から生産部門での活躍
1983年4月にソニー（現ソニーグループ）へ入社した岸田氏は、39年間にわたってソニーで幅広い経験を積みました。
主な経歴
- 1986年7月: ソニーエレクトロニクス・インク赴任（米国）
- 2003年9月: ホームネットワークカンパニー 経営企画部門 経営改革室 統括部長
- 2009年4月: 生産本部 生産戦略部門 部門長
- 2012年4月: 生産本部 本部長
生産改革のスペシャリストとして
岸田氏はソニーにおいて、主に生産部門で手腕を発揮しました。特に以下の実績が評価されています。
- ソニーイーエムシーエス代表取締役社長（2013年1月〜）
- ソニー生産センター長（2014年7月〜）
- Sony EMCS (Malaysia) Sdn.Bhd. Managing Director（2014年7月〜）
- ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ代表取締役社長（2016年4月〜）
スマートフォン事業の立て直し
岸田氏の最も大きな功績の一つが、赤字だったスマートフォン事業を黒字化させたことです。
2018年2月にソニーモバイルコミュニケーションズの社長に就任した岸田氏は、Xperiaブランドの再建に取り組みました。構造改革を断行し、3年の計画を2年で完遂。2020年度第1四半期には黒字化を達成するという目標を実現しました。
ソニーモバイル時代の主な役職
- 2018年4月: ソニーモバイルコミュニケーションズ社長就任
- 2021年4月: ソニー常務 モバイルコミュニケーションズ事業担当就任
ニデックでの経歴（2022年〜現在）
異例の転職とスピード出世
2022年1月に日本電産（現ニデック）へ入社した岸田氏は、定年わずか10カ月前という異例のタイミングでの転職でした。「自分を試したかった」という想いから、新たな挑戦を選びました。
ニデックでの昇進の軌跡
- 2022年1月: 常務執行役員として入社、車載事業副本部長
- 2022年9月: 車載事業本部長に就任
- 2023年4月: 副社長執行役員に昇格
- 2024年4月: 社長CEO就任
- 2024年6月: 代表取締役に就任
社長選任の理由
岸田氏の社長選任理由として、オープンマインドで同僚や顧客との信頼関係・協力体制を築くことができる点、人的資本への意識の高さ、前職で世代交代後の事業展開を経験している点が挙げられました。
特に多様性の推進において、グローバルな視点で明確に自らの考えを主張できる点が高く評価されています。
車載事業の立て直し
ニデック入社後、岸田氏は不振だった車載事業の責任者として立て直しに尽力しました。ソニー時代の製販一体の経験を活かし、EV（電気自動車）向け駆動モーターの強化に取り組んでいます。
岸田光哉氏の経営スタイル
「人を中心にした経営」への転換
創業者・永守重信氏の強烈なリーダーシップとは対照的に、岸田氏は「調整型で丁寧」な経営スタイルを特徴としています。
主な特徴
- データ分析とロジカルな意思決定を重視
- 現場主義を貫き、従業員の声を直接拾い上げる
- チームで考える文化の醸成
- グローバル視点での組織運営
「第二創業」を掲げる
岸田氏は社長就任時の会見で、ニデックの原点に立ち返り、「リジェネレーション『第二創業』を成し遂げたい」と意気込みを語りました。永守イズムを継承しながらも、新しい時代に合った経営基盤の強化とグローバル運営体制の構築を目指しています。
年収と評価
推定年収
岸田氏の副社長時代の年収は約1,800万円と推定されており、社長就任後は1億円前後の報酬を得ていると考えられます。ニデックの役員報酬は、創業者の永守氏が1億600万円の報酬を得ていることから、社長としても同等水準の報酬体系となっています。
社内外からの評価
社員からは以下のような評価を受けています。
- 「誠実で逃げないリーダー」
- 「理論派だけど、ちゃんと汗をかくタイプ」
- 「穏やかで理知的」
- 「永守イズムを柔らかく体現している」
ハードワーカーとして知られ、現場感覚を持った経営者として高い信頼を集めています。
今後の展望
ニデックは2031年3月期に売上高10兆円という目標を掲げています。2025年3月期の連結業績予想は、売上高2兆5000億円、純利益1850億円で、3期ぶりの最高益を見込んでいます。
岸田氏は、EVだけでなくハイブリッド車（HV）やエンジン車との共存を見据えた戦略を展開しており、多様化する自動車市場に対応したビジネスモデルの構築を進めています。
まとめ
岸田光哉氏は、京都大学教育学部を卒業後、ソニーで39年間の豊富な経験を積み、スマートフォン事業の黒字化という実績を残しました。2022年にニデックへ転職し、わずか2年で社長に就任するという異例の速さで出世を遂げています。
創業者の永守重信氏とは異なる「人を中心にした経営」スタイルで、ニデックの第二創業を目指す岸田氏。その手腕に、今後も注目が集まります。
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