TBS系『水曜日のダウンタウン』の人気企画「名探偵津田」第2弾が2023年11月に前後編で放送され、視聴者の間で大きな話題となりました。長野県の小さな村を舞台にした本格ミステリー仕立てのドッキリ企画は、SNSで白熱する犯人探しが繰り広げられました。この記事では、気になる犯人や事件の真相、伏線の数々について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 名探偵津田 第2弾「呪いの手毬唄と招かれざる男」の真犯人と衝撃の動機
- 手毬唄に隠された恐ろしいトリックと重要な伏線
- 津田とみなみかわの名推理と事件解決までの全過程
- 理沙ちゃんの悲劇的な死の真相
名探偵津田 第2弾とは
企画の概要
正式名称は「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説」の第2弾です。お笑いコンビ・ダイアンの津田篤宏さんが偽ロケで長野県の村に呼び出され、突如発生した連続殺人事件に巻き込まれるというドッキリ企画です。
第1弾で見事ペンション殺人事件を解決した津田は、すでに「名探偵」として村人から認識されており、否応なく事件解決を求められる展開となりました。犯人を見つけるまで企画が終わらないという過酷なルールは変わらず、津田は翌日のA-studioの収録を諦めて捜査に挑むことになります。
放送日程と視聴者の反響
- 前編:2023年11月8日放送
- 完結編:2023年11月15日放送
第1弾から約10カ月ぶりの続編として、SNSでは放送前から大きな期待が寄せられました。前後編の2週連続放送という異例の長時間企画となり、視聴者も一緒に犯人を推理する考察ブームが巻き起こりました。
スタジオゲストには出川哲朗、あのちゃん、フットボールアワー後藤輝基の3人が出演。特に伊集院光は持ち前の推理力で事件の核心に迫るコメントをし、「次の名探偵役候補として狙われるぞ」と周囲から冗談交じりに言われるほどでした。
サブタイトルの意味
第2弾のサブタイトルは「呪いの手毬唄と招かれざる男」。これは横溝正史の名作『悪魔の手毬唄』へのオマージュとなっています。手毬唄の歌詞通りに殺人が行われるという古典ミステリーの王道パターンを踏襲しつつ、バラエティー番組ならではの「空伏線」も混ぜ込んだ斬新な構成が特徴です。
事件の舞台と設定
長野県戸隠祖山の閉鎖的な村
第2弾の舞台は長野県の戸隠祖山にある小さな村という設定です。住民はわずか7人という過疎地域で、村には古くから伝わる「たぬきの手毬唄」という不気味な童謡が存在します。
村は急な坂道が多く、事件捜査のため津田は何度も坂を上り下りさせられることに。「めんどくせえ」「しんどい」と文句を言いながらも捜査を続ける津田の姿は、視聴者から「金田一耕助を超えた」と評されるほどでした。
村の人物相関図
村の主要人物は以下の通りです。
- 五百旗頭茂雄(いおきべ しげお):村長(第一の被害者)
- 五百旗頭浩一:村長の長男
- 五百旗頭恵:浩一の妻
- 五百旗頭春樹:村長の次男(第二の被害者、東京在住)
- 鈴木昌輝:村の広報を務める初老の男性(真犯人)
- 鈴木理沙:昌輝の娘、東京の大学に通う大学生(第三の被害者)
- 老婆:村に住む老女、手毬唄を歌う
たぬきの手毬唄の歌詞
事件の鍵を握る「たぬきの手毬唄」の歌詞は以下の通りです。
てんてんてまり てんてまり
村にはたぬきが4匹おった
畑を荒らしちゃたまらんと
庄屋がたぬきを こらしめた こらしめた
お腹の大きな親だぬき
吊るし上げたら おっちんだ おっちんだ
この不吉な童謡の歌詞通りに、村では連続殺人事件が発生していきます。手毬唄が示す殺害方法や被害者の順番が、事件解決の重要な手がかりとなりました。
事件の詳細な経過
第一の事件:村長殺害
年に一度の村祭り「刀舞祭」の日、村の放送設備から村長の声が流れます。「皆さんおはようございます。本日は刀舞祭です」という当たり障りのない内容でしたが、実はこの放送が事件の伏線となっていました。
放送が流れた12時頃、村長・五百旗頭茂雄が自宅で吊るし上げられた状態で発見されました。大量の血痕が残されており、手毬唄の1番「お腹の大きな親だぬき 吊るし上げたら おっちんだ」を連想させる残酷な殺害方法でした。
津田と助手役の鈴木理沙は村長宅で遺体を発見しますが、実はこの時点で重要なトリックが仕掛けられていました。村長が放送した時刻と遺体発見の時刻があまりにも近すぎることに、視聴者の多くが疑問を抱きました。
第二の事件:長男の毒殺未遂
捜査を進める中、村長の長男・浩一がマイタケに似た毒キノコのスープを食べて倒れます。妻の恵が作ったスープでしたが、恵自身も味見をしており、犯人の特定は困難に見えました。
この事件は手毬唄の2番に該当し、「畑を荒らしちゃたまらんと 庄屋がたぬきを こらしめた」という歌詞を連想させます。幸い浩一は一命を取り留めましたが、事件はさらに複雑化していきます。
第三の事件:次男の毒殺(東京編)
時を同じくして、東京のTBS本社では別の事件が発生していました。松竹芸人のみなみかわが参加していた打ち合わせ中、ディレクターがマイタケに似た毒キノコの入った弁当を食べて死亡します。
このディレクターこそ、村長の次男・五百旗頭春樹でした。長野と東京、2つの事件がつながっていることに気づいたみなみかわは、翌日のA-studioの収録を諦めて長野の村へ向かいます。
「村の外に怪しい男が来た」という連絡を受けた津田が村の入口で待ち構えていると、そこに現れたのはみなみかわ。「なんで君がおんねん!」と困惑する津田でしたが、2人は協力して事件解決に挑むことになります。
第四の事件:理沙の死
捜査が進む中、津田の助手として活躍していた鈴木理沙が突然姿を消します。そして理沙は遺体となって発見されました。手毬唄の3番に該当する殺害方法で、本来は長男の妻・恵が刀で刺殺される予定でしたが、理沙が犠牲になったのです。
理沙と津田の間にはキスをしそうになるシーンもあり、津田は「キスしそうになったのに……おもんない、嫌や、俺」とショックを受けます。ドッキリとわかっていても恋心はリアルで、理沙の死に直面した津田は頭をかきむしり「俺は……どこの人?」「俺はどの世界で生きてんの、今?」と自分のいる世界線を見失うほどの混乱状態に陥りました。
スタジオでVTRを見ていた松本人志は、錯乱する津田を見て「なんか痩せたよな(笑)」とコメントしていました。
犯人の正体と動機【完全ネタバレ】
真犯人は鈴木昌輝
視聴者の多くが理沙を犯人と推理していましたが、第2弾の真犯人は村の広報を務めていた初老の男性・鈴木昌輝でした。理沙の父親であり、一見すると親切で協力的な人物でしたが、実は連続殺人の首謀者だったのです。
鈴木は事件の全容を知る立場にありながら、村の地図を津田に渡したり、情報を提供したりと捜査に協力的な態度を装っていました。このミスディレクションが視聴者を欺く要因となりました。
犯行の動機
鈴木昌輝の犯行動機は、村長・五百旗頭茂雄が村のリゾート開発を進めようとしていると思い込んだことでした。村の自然を守るため、そして自身の村での立場を守るために殺害を決意したと供述しています。
しかし実際には、村長は本当にリゾート開発を進めようとしていたわけではなく、鈴木の勘違いあるいは妄想に基づく犯行でした。このすれ違いが悲劇を生んだのです。
理沙の死の真相
最も視聴者に衝撃を与えたのは、助手役として活躍していた理沙の死でした。実は理沙は父親の犯行に気づいてしまい、止めようとして揉み合いになった末の事故死だったのです。
鈴木は手毬唄になぞらえて長男の妻・恵を刺殺する予定でしたが、先に娘が死んでしまったため、遺体に刀を突き刺すことができませんでした。「父が娘を殺すはずがない」と考えた視聴者が多かったため、この展開は大きな衝撃となりました。
津田に好意を寄せていた理沙の恋心も本物だったことが判明し、「キスしておけば良かった」と後悔する視聴者のコメントも見られました。
事件解決の重要な手がかり
「じいさんに気をつけろ」の真意
次男の春樹が過去に発言していた「じいさんに気をつけろ」という言葉が重要な伏線となりました。当初は文字通り「爺さん」を指していると思われましたが、実は村の地図の座標「G-3」を指していたのです。
村の地図は数字とアルファベットで区切られており、G-3の位置にあるのは「鈴木家」でした。この暗号のような警告が、犯人特定の決定的な手がかりとなります。
戸隠channelの存在
事件解決の鍵となったのが「戸隠channel」というYouTubeチャンネルでした。このチャンネルには村の様子が記録されており、事件の手がかりが隠されていました。
実際にこのYouTubeチャンネルは制作され、視聴者も視聴可能でした。番組放送後も更新が続き、第3弾の放送に合わせて久しぶりに更新されるなど、シリーズを通じた仕掛けとなっています。
村長殺害のトリック
村長は12時に村内放送をしていましたが、実はこの放送は去年あるいは以前に録音されたものでした。放送内容が「本日は刀舞祭です」という当たり障りのない内容で、具体的な日付を言っていなかったことがポイントです。
最初に津田と理沙が村長宅で発見した「遺体」は、実は村長自身が参加したドッキリ演出でした。この時点では村長はまだ生きており、その後に本当に殺害されたというトリックがありました。遺体発見時の縄のかけられ方の違いが、このトリックを示唆していました。
手毬唄に登場する道具
捜査の過程で、津田とみなみかわは各家庭を訪問し、手毬唄に登場する道具の有無を確認します。そして鈴木家だけが、手毬唄に登場する道具を持っていなかったことが判明します。
これは一見すると無実の証拠のように見えますが、実は犯人が意図的に証拠を隠滅していたことを示す重要な手がかりでした。
古畑任三郎へのオマージュ
第2弾には名作ドラマ『古畑任三郎』の要素も多数取り入れられていました。特に「殺しのファックス」のエピソードをオマージュした演出があり、警察官の名前も古畑任三郎に登場する「今泉」「向島」という名前が使われていました。
津田とみなみかわの名推理
2人の世界線が交差する
長野の事件と東京の事件、それぞれ別々に捜査を進めていた津田とみなみかわが合流したことで、事件は大きく動き始めます。2つの事件が村の五百旗頭家を標的にした連続殺人事件だと気づいた2人は、協力して真相に迫ります。
みなみかわも津田同様にドッキリだと気づいていましたが、「名探偵みなみかわ」として事件解決に挑む姿勢を見せます。津田とみなみかわの掛け合いは、視聴者からも高評価を得ました。
廃業した温泉施設での怪奇現象
捜査の過程で、津田とみなみかわは廃業した温泉施設に事件の手がかりを聞きに向かいます。しかしそこで2人は多数の怪奇現象に遭遇することになりました。
不気味な音や謎の人影など、ミステリーとホラーが融合したシーンは視聴者を大いに驚かせましたが、この怪奇現象については結局説明されないまま事件が終わってしまいました。「あの怪奇現象は一体何だったのか」は今もファンの間で議論されています。
「犯人はあなただ!」決めポーズ
事件解決の瞬間、津田は名探偵らしく犯人を指さして「犯人はあなただ!」と決めポーズを決めます。このシーンは古典ミステリーの様式美を踏襲しており、視聴者から大きな拍手を浴びました。
実は犯人役の俳優が自供シーンの出だしを噛んでしまうというハプニングもあり、台本があるとはいえ津田やみなみかわのアドリブに合わせる俳優陣の苦労も垣間見えました。
第2弾の見どころと評価
本格ミステリーとしての完成度
前編・後編合わせて2時間を超える大作となった第2弾は、第1弾以上に複雑な謎解きと本格的な演出が特徴です。横溝正史作品や古畑任三郎へのオマージュ、緻密に張り巡らされた伏線など、ミステリー作品としても高い完成度を誇ります。
ただし番組プロデューサーがTwitter(現X)で明かしたように、「名探偵津田」では番組スタッフが入れた面白要素や製作上の細かい矛盾も含まれており、全てが事件に関係する意味のあることだとは限らないという、ある種推理物としては新しい構成になっています。
この「空伏線」の存在がかえって視聴者の考察を盛り上げ、SNSでは様々な推理が飛び交いました。
津田のキャラクターが光る演出
第2弾の成功は、津田篤宏のキャラクターに負うところが大きいです。すぐにドッキリだと気づいてしまう津田ですが、それでも没入せざるを得ない状況に追い込まれ、パニックで頭をかきむしる姿は「金田一耕助を超えた」と評されました。
「めんどくせえ」「しんどい」「早く帰りたい」と文句を言いながらも、真剣に推理に取り組む津田の姿は視聴者の共感を呼び、名探偵としての魅力を存分に発揮しました。
津田は高校時代にフェンシング部で県大会個人優勝の実績を持ち、これは名探偵ホームズの特技と同じです。子供の頃から「名探偵ホームズ」のアニメが大好きだった津田にとって、この企画はまさに「夢が叶った」瞬間だったと言えるでしょう。
理沙ちゃん役・森山未唯の好演
助手役として登場した森山未唯さんの演技も大きな話題となりました。美貌と演技力で視聴者を魅了し、放送中からXでトレンド入り。SNSのフォロワー数は放送前の1,000人から18,000人に急増しました。
明治大学国際日本学部出身で英検1級保持者、ミスコンファイナリストという華麗な経歴を持つ森山さんは、第3弾でも理沙の双子の妹・佐々木理奈役で再登場し、さらなる人気を獲得しています。
SNSで白熱した犯人考察
2週連続放送だったこともあり、前編放送後のSNSでは犯人考察が大盛り上がりしました。多くの視聴者が理沙を犯人と推理しており、地図の座標から「G-3=鈴木家」を突き止めた考察者も多数いました。
「まさか父が娘を殺すはずがない」「理沙も死んだふり?」「村全員が仕掛け人のドッキリ?」など、様々な推理が交わされ、ミステリー好きのハードルの低さもあって、多くの人が初めて本格的な考察に参加しました。
第2弾のその後と伏線
鈴木昌輝の脱走
第3弾の放送時には、逮捕されたはずの鈴木昌輝が「長野戸隠村連続放火事件」で指名手配されているというポスターが映り込みました。これは続編への伏線として大きな話題となり、シリーズ全体を通じた壮大なストーリーの存在を示唆しています。
戸隠channelの更新
第2弾で事件解決の鍵となった「戸隠channel」は、第3弾の放送に合わせて久しぶりに更新されました。新たな謎を提示する内容となっており、シリーズファンの間で大きな注目を集めました。
第1弾の助手・井川瑠音さんの訃報
第1弾で津田の助手役として出演した井川瑠音さんが、2023年11月18日に31歳の若さで逝去されました。突然の訃報に悲しみの声が相次ぎ、津田も自身のSNSで「バカな僕を優しくわかりやすくリードしていただきありがとうございました。心よりご冥福をお祈りします」と感謝をつづりました。
視聴者の反応と特番待望論
TVerで記録的な再生数
第2弾完結編のTVer再生数は、バラエティ番組として歴代最高記録を更新しました。また『水曜日のダウンタウン』の視聴者&出演者が選ぶ「一番好きな説」投票では、「名探偵津田」が4,000票を獲得して1位に輝いています。
特番・映画化を望む声
放送後、SNSでは以下のような声が多数上がりました。
- 「名探偵津田5時間SPをやって欲しい」
- 「年末年跨ぎ特番でやってくれても良い」
- 「連ドラ化してほしい」
- 「映画化まで期待したい」
ただし連ドラ化については「津田さんのメンタルが持たなそう」という懸念の声もあり、年2回スペシャル×2週連続という形式が最適ではないかという意見も多く見られました。
配信情報と視聴方法
U-NEXTでの独占配信
『名探偵津田』シリーズは、動画配信サービスU-NEXTで独占配信されています。第1弾から第4弾までの全シリーズが視聴可能で、何度でも見返して伏線を確認することができます。
TVerでの期間限定配信
新作放送に合わせて、TVerで過去シリーズが期間限定で無料配信されることがあります。第4弾の放送に合わせて、第1弾から第3弾までの全5回が配信されました。
まとめ
名探偵津田 第2弾「呪いの手毬唄と招かれざる男」の犯人は、村の広報・鈴木昌輝でした。村長がリゾート開発を進めようとしていると思い込み、村に伝わる手毬唄に沿って連続殺人を実行しました。
最も悲劇的だったのは、犯行に気づいた娘の理沙が父親を止めようとして揉み合いになり、事故で命を落としてしまったことです。津田に好意を寄せていた理沙の死は、視聴者に大きな衝撃を与えました。
横溝正史作品や古畑任三郎へのオマージュを取り入れた本格ミステリー仕立ての演出は、バラエティ番組の枠を超えた完成度の高さで視聴者を魅了しました。2週連続放送という大作は、SNSでの白熱した考察ブームを巻き起こし、「水ダウ」の代表的企画として今も語り継がれています。
文句を言いながらも真剣に推理に取り組む津田の姿、助手として活躍した理沙の好演、みなみかわとのバディ捜査など、見どころ満載の第2弾。第3弾、第4弾へと続くシリーズの原点として、ぜひチェックしてみてください。
現在、U-NEXTで全シリーズが配信されています。第2弾を見逃した方や、もう一度じっくり伏線を確認したい方は、ぜひ視聴してみてはいかがでしょうか。



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