FC町田ゼルビアを天皇杯初優勝に導いた黒田剛監督が、2025年12月23日に選手やスタッフへの不適切な発言でJリーグから譴責処分を受けました。高校サッカー界からプロへ転身し、わずか3年で輝かしい実績を残した名将の年収と、今回の処分による影響について解説します。
この記事でわかること
- 黒田剛監督の青森山田時代からFC町田ゼルビアでの年収推移
- 2025年12月の譴責処分の内容と年収への影響
- Jリーグ監督の年俸相場と今後の展望
黒田剛監督のプロフィールと実績
黒田剛監督は1970年5月26日生まれの55歳。北海道札幌市出身で、1994年からなんと28年間も青森山田高校サッカー部の監督を務めました。全国高校サッカー選手権で3度の優勝を果たし、柴崎岳選手をはじめ多くのプロ選手を輩出してきた実績があります。
2023年にFC町田ゼルビアの監督に就任すると、初年度でJ2優勝とJ1昇格を達成。2024年シーズンはJ1で3位に入る躍進を見せ、2025年11月22日には天皇杯で初優勝を果たしました。しかし、その約1カ月後の2025年12月23日、選手やスタッフへの不適切な発言によりJリーグから譴責処分を受けることとなりました。
2025年12月の譴責処分について
処分の内容
Jリーグは2025年12月23日、黒田剛監督とFC町田ゼルビアに対して譴責処分を科したと発表しました。譴責処分は懲罰の中では最も軽い部類ですが、始末書の提出と将来を戒めるという内容です。
処分の理由となった具体的な行為は以下の通りです。
- 2023年頃から自分の意向に沿わない選手を「造反者」と表現して排除する意図を持った発言
- 練習中に選手やスタッフの前で特定のコーチを大声で怒鳴る行為
- 懇親会の場でスタッフに対する暴言
クラブの対応も問題視
FC町田ゼルビアも同時に譴責処分を受けました。クラブが設置した特別調査委員会の調査方法に不備があり、顧問弁護士の同席やチーム関係者への口止めと取られる行為があったと指摘されています。クラブは2025年4月時点で「パワハラは事実無根」と発表していましたが、Jリーグの最終判断とは異なる結果となりました。
ただし、Jリーグはパワハラとしては認定せず、暴力行為も確認されなかったとしています。試合への出場停止などの重い処分は科されておらず、黒田監督は現在も監督として指揮を執っています。
青森山田高校時代の年収
私立高校教員としての収入
黒田監督の青森山田時代の年収は、推定800万円から1,150万円程度とされています。内訳は以下の通りです。
- 私立高校教員の基本給与
- 監督手当:推定200万円から300万円
- メディア出演料などの副収入:100万円から200万円
青森山田は全国屈指の強豪校で、スポンサー支援も充実していることから、一般的な私立高校教員よりも高い待遇だったと考えられます。黒田監督は28年間という長期間にわたって監督を務め、数々の実績を残したため、相応の収入があったと推測されます。
FC町田ゼルビア就任後の年収
J2監督時代(2023年)
2023年のJ2監督就任時の年収は、推定3,000万円から5,000万円と見られています。
Jリーグの監督年俸は、J2では約800万円から5,000万円の範囲が一般的です。黒田監督は高校サッカー界での圧倒的な実績を評価されてのプロ転身であり、サイバーエージェントが経営参画している町田ゼルビアは強化費が潤沢なことから、比較的高額な契約だったと推測されます。
初年度でJ2優勝とJ1昇格を達成したことで、特大ボーナスが支給された可能性も高いでしょう。
J1監督時代(2024年から2025年)
J1昇格後の年収は、推定4,000万円から8,000万円程度と予想されます。一部報道では6,000万円から6,300万円程度という情報もあります。
J1リーグの監督年俸は、下位チームで2,000万円から3,000万円、中位で4,000万円から6,000万円、上位で7,000万円から1億円超となっています。町田ゼルビアは2024年シーズンにJ1で3位という素晴らしい成績を残し、2025年11月には天皇杯で初優勝を達成しました。
テレビ出演などの副収入を含めると、さらに高額になる可能性もあります。
譴責処分による年収への影響
直接的な金銭的制裁はなし
今回の譴責処分には罰金などの直接的な金銭的制裁は含まれていません。試合への出場停止もないため、基本的な年俸に対する即座の影響は限定的と考えられます。
今後の契約更新への影響
ただし、今回の処分が今後の契約更新時の年俸交渉に影響を与える可能性は否定できません。以下のような要因が考えられます。
- クラブの評価:天皇杯優勝という実績と、不適切な発言による処分のバランスをどう評価するか
- スポンサーの反応:企業イメージへの影響を懸念する可能性
- 他クラブからのオファー:移籍市場での評価が下がる可能性
一方で、サイバーエージェントの藤田晋社長は黒田監督を高く評価しており、チームの成績も好調なことから、大幅な年俸ダウンは考えにくいという見方もあります。
反省の姿勢が鍵
Jリーグの発表では、黒田監督が不適切な発言の存在を基本的に認めておらず、真摯に反省しているとは言い難い状況だったと指摘されています。今後、監督が反省の姿勢を示し、指導方法を改善できるかどうかが、長期的な評価と年収に影響するでしょう。
年収推移のまとめ
黒田監督の年収推移を整理すると以下のようになります。
- 青森山田時代(1994年から2022年):800万円から1,150万円
- J2監督時代(2023年):3,000万円から5,000万円
- J1監督時代(2024年から2025年):4,000万円から8,000万円
高校サッカー監督時代と比較すると、プロ転身後は年収が約4倍から8倍に増加しました。ただし、今回の譴責処分により、今後の年俸交渉やキャリアの展開に影響が出る可能性もあります。
Jリーグ監督の年俸相場
参考までに、Jリーグ監督の年俸相場をご紹介します。
J1リーグの監督年俸
- 上位クラブ:7,000万円から1億5,000万円
- 中位クラブ:4,000万円から6,000万円
- 下位クラブ:2,000万円から3,000万円
例えば、柏レイソルの監督は1億5,000万円程度とされており、実績のある監督には高額な報酬が支払われています。
日本代表監督との比較
日本代表監督の年俸は推定3億円程度とされています。黒田監督は一時期「次期日本代表監督候補」との声も上がっていましたが、今回の処分により、代表監督への道は遠のいた可能性があります。
今後の展望
クラブでの継続の可能性
黒田監督がFC町田ゼルビアで監督を継続する可能性は高いと考えられます。その理由は以下の通りです。
- 天皇杯優勝という確かな実績
- J1での安定した成績
- サイバーエージェントの藤田社長からの信頼
ただし、指導方法の改善と再発防止策の実施が求められます。クラブも相談体制の整備やガバナンスの強化に取り組む必要があります。
他クラブへの移籍の可能性
今回の処分により、他のJ1クラブや海外クラブからのオファーには影響が出る可能性があります。特に、コンプライアンスを重視するクラブからは敬遠される可能性も否定できません。
まとめ
黒田剛監督の年収は、青森山田時代の約800万円から、現在は推定4,000万円から8,000万円まで大きく上昇しています。高校サッカー界からプロへの異例の転身を成功させ、わずか3年で天皇杯優勝という輝かしい実績を残しました。
しかし、2025年12月23日に選手やスタッフへの不適切な発言によりJリーグから譴責処分を受けたことで、今後のキャリアと年収には不透明な要素が加わりました。直接的な金銭的制裁はありませんが、今後の契約更新時の交渉や他クラブからの評価に影響する可能性があります。
黒田監督が指導方法を改善し、真摯に反省の姿勢を示すことができれば、引き続き高い年俸を維持しながら監督として活躍できる可能性もあるでしょう。一方で、改善が見られない場合は、長期的なキャリアと収入に悪影響を及ぼす可能性もあります。今後の黒田監督の対応と、FC町田ゼルビアの成績に注目が集まります。



コメント