2025年7月の参議院選挙で東京選挙区から23万5千票以上を獲得した平野雨龍さんが、次の衆議院選挙では大分3区からの立候補を表明しました。千葉県出身で東京を拠点に活動してきた彼女が、なぜ大分という地方選挙区を選んだのか、多くの人が疑問に感じています。
この記事でわかること
- 平野雨龍さんが大分3区に立候補を決めた3つの具体的な理由
- 大分3区が抱える政治的課題と平野さんの立場
- 全国を回って選んだ大分への思いと今後の展望
2025年12月8日、大分3区からの立候補を正式表明
中津市で記者会見を開催
2025年12月8日、平野雨龍さんは大分県庁で記者会見を開き、次期衆議院選挙で大分3区から無所属で立候補することを正式に表明しました。
会見では「大分3区から国を守り、暮らしを守り、未来を守る政治を始めます」と力強く宣言しました。現在は中津市に移住し、すでに地元での活動を開始しています。
対立候補は自民党の岩屋毅前外相
大分3区には、自民党現職で10期目の岩屋毅前外務大臣が立候補する見込みです。また、立憲民主党の新人・小林華弥子さんも立候補を表明しており、三つ巴の激戦が予想されます。
岩屋氏は防衛大臣や外務大臣を歴任した経験豊富な政治家で、地元では長年にわたり強固な地盤を築いてきました。
なぜ大分3区なのか?立候補を決めた3つの理由
理由①:全国41都道府県を回り、最も多かった出馬要請
平野雨龍さんは参議院選挙後、全国41都道府県を巡りました。各地で支援者と対話を重ね、どこから出馬すべきかを慎重に検討してきたといいます。
その結果、自身に出馬を求める声が最も多かったのが大分3区だったと明かしています。産経新聞の報道によると、平野さんは会見で「自身に出馬を求める声は大分3区が最も多かったと感じた」と語りました。
数字やデータだけでなく、実際に足を運んで地域の声を聞いた上での決断だったことがわかります。
理由②:日本の原風景と文化が残る地域を守りたい
平野さんが大分3区を選んだ最も大きな理由の一つが、この地域に残る日本の伝統文化と自然への強い思いです。
記者会見では「大分には日本の原風景が残り、未来に残すべき文化や自然がある。政治の力で存続させたい」と説明しました。
茶道、華道、和服の着付け、雅楽の龍笛など、日本の伝統文化を深く学んできた平野さんにとって、大分3区の景観や文化は守るべき宝物として映ったのでしょう。
実際、大分3区には以下のような市町村が含まれています。
- 別府市
- 杵築市
- 宇佐市
- 国東市
- 日出町
- 姫島村
これらの地域には温泉文化、城下町の風情、国東半島の仏教文化など、日本固有の歴史と文化が色濃く残っています。
理由③:イスラム土葬墓地問題への危機感
大分3区を選んだ背景には、もう一つ見逃せない政治的な要因があります。それが日出町で物議を醸している「イスラム教土葬墓地問題」です。
土葬墓地問題とは何か
大分3区に含まれる日出町では、イスラム教徒向けの土葬墓地建設計画が持ち上がり、地域住民から強い反対の声が上がっていました。この問題は事実上とん挫していますが、現職の岩屋毅前外相が、大分県佐伯市の自民党市議団からの要望を受けて、イスラム土葬墓地を「国の責任で全国に整備」するよう政府に働きかけていることが報道され、SNS上でも大きな議論を呼んでいます。
平野さんの立場
平野さんはこの問題について明確な立場を示しています。記者会見では「住民の声が最優先であるべき。土葬に関しては地域に押し付けるのではなく、国がルール作りを行うべき」と指摘しました。
地域住民の不安や意見を尊重しつつ、国としての方針を明確にすべきだという主張です。
この問題への対応は、大分3区での選挙において重要な争点の一つになると考えられます。
平野雨龍が掲げる政策の三本柱
大分3区から立候補するにあたり、平野さんは以下の三本柱を政策の中心に据えています。
1. 国を守る
具体的な政策として、以下を掲げています。
- スパイ防止法の制定
- 外国資本による土地買収の規制強化
- 安全保障体制の強化
香港民主化運動に関わってきた経験から、「香港で守れなかった悔しさを日本で繰り返したくない」という強い思いが背景にあります。
2. 暮らしを守る
地域経済と住民生活の安定を重視しています。
- 外国人労働者に依存しない経済政策
- 日本人の賃金向上
- 少子化対策
会見では「外国人労働者の方々にこれから先も頼り続ければ、日本人の賃金は上がらず人口構造も少しずつ変わっていく。未来を考えた政策を提示したい」と語りました。
3. 未来を守る
次世代のための政策を提示しています。
- 観光振興と治安維持の両立
- 伝統文化の保護と継承
- 持続可能な地域社会の構築
「この国に生まれてよかったと次世代が胸を張れる日本を取り戻す」という信念を掲げています。
「批判しない」選挙戦を目指す姿勢
岩屋毅氏への対応
対立候補となる岩屋毅前外相については、「批判しない。真摯に地域の皆さまに国の未来に対する政策を提示していく」と述べています。
ネガティブキャンペーンではなく、自らの政策と信念を訴えることで支持を広げていく戦略です。
無所属での戦い方
平野さんは無所属候補として、既存の政党組織に頼らない選挙戦を展開します。参議院選挙で23万5千票を獲得した実績は、組織票なしでも支持を集められることを証明しました。
SNSやYouTubeなどのデジタルプラットフォームを活用し、若い世代を中心とした支持層を大分でも広げていく方針と見られます。
東京から大分へ|移住を決断した覚悟
12月に中津市へ移住
平野さんは立候補表明に先立ち、2025年12月に中津市へ移住しました。単に選挙のための「お試し移住」ではなく、地域に根を張って活動していく本気度を示しています。
千葉県出身で東京を拠点に活動してきた彼女にとって、大分への移住は人生の大きな転機です。
地方選挙区への挑戦の意味
無所属候補が地方選挙区で勝利するのは容易ではありません。しかし、平野さんは「大分を守ることが日本の未来を守ることにつながる」と語り、この選挙区での勝利に大きな意義を見出しています。
地方から国政を変えていくという戦略は、既存の政治の流れに一石を投じる挑戦と言えるでしょう。
大分3区の有権者からの反応
期待の声
SNSやネット上では、平野さんの立候補に対して期待の声も上がっています。
特に若い世代からは「新しい風を期待したい」「既存政治への挑戦を応援する」といった声が見られます。和装での街頭演説というビジュアルの強さと、明確なメッセージが支持を集めている要因です。
課題も山積
一方で、地元での知名度不足や組織力の欠如など、課題も少なくありません。岩屋毅氏は10期にわたり地元で活動してきたベテラン政治家であり、地盤は盤石です。
無所属で資金面でも厳しい中、どこまで支持を広げられるかが勝負の鍵となります。
平野雨龍の大分3区挑戦が日本政治に投げかける問い
地方選挙区での無所属の可能性
平野さんの挑戦は、政党政治が主流の日本において、無所属候補が地方選挙区でどこまで戦えるかを試す実験でもあります。
参議院の比例代表や東京のような大選挙区ではなく、小選挙区制の地方で無所属候補が議席を獲得できれば、日本の政治地図を塗り替える可能性もあります。
政治への新しいアプローチ
従来の「地元に生まれ育ち、地域に根差した」政治家像とは異なり、理念と政策で選挙区を選ぶという平野さんのスタイルは、現代的な政治家のあり方を示唆しています。
地域の課題と国政の課題を結びつけ、全国的な視点で地方から発信していく手法は、今後の地方政治のモデルケースになるかもしれません。
まとめ
平野雨龍さんが大分3区から立候補を決めた理由についてまとめました。
参院選後に全国41都道府県を回った結果、最も多くの出馬要請があったこと、日本の原風景と文化が残る大分を守りたいという思い、そしてイスラム土葬墓地問題などの地域課題への危機感が、大分3区選択の背景にありました。
「国を守る」「暮らしを守る」「未来を守る」という三本柱の政策を掲げ、無所属で既存の政治に挑戦する姿勢は、多くの注目を集めています。
千葉県出身で東京で活動してきた平野さんが、あえて大分に移住し、地方から日本を変えようとする挑戦は、地方政治の新しい可能性を示すものかもしれません。
自民党の岩屋毅前外相という強力な現職を相手に、無所属候補がどこまで戦えるのか、2026年の衆議院選挙の大きな注目点となりそうです。





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