2024年から2025年にかけて、岩屋毅氏の名前がメディアやSNSで頻繁に取り上げられました。外務大臣としての政策判断や土葬墓地問題など、様々な議論を呼んでいます。今回は岩屋毅氏のプロフィールと、何が問題視されているのかを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 岩屋毅氏の経歴と政治家としての実績
- 外務大臣時代の主な活動と退任の経緯
- 土葬墓地問題と更迭要求の背景
岩屋毅氏のプロフィール
岩屋毅(いわや たけし)氏は、1957年8月24日生まれの自由民主党所属の衆議院議員です。大分県別府市出身で、現在10期目を務めています。
学歴と経歴
- 別府市立青山小学校・中学校
- ラ・サール高等学校(鹿児島の名門進学校)
- 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業
- 大学在学中は早稲田大学雄弁会に所属
- 卒業後は鳩山邦夫衆議院議員の秘書を務める
主な経歴
- 1990年:衆議院議員に初当選(無所属)
- 2006年:第1次安倍内閣で外務副大臣
- 2018年10月~2019年9月:第4次安倍改造内閣で防衛大臣(第19代)
- 2024年10月:石破茂内閣で外務大臣(第153・154代)就任
- 2025年10月:石破内閣総辞職に伴い外務大臣退任
外務大臣としての活動
岩屋氏は2024年10月1日に外務大臣に就任し、2025年10月21日まで約1年間(386日)在任しました。
主な外交活動
- G7外相会合への出席
- NATO首脳会合参加
- ASEAN関連外相会議での議長国務
- 日米同盟の強化と各国との二国間会談
中国人向けビザ緩和問題
2024年12月25日、岩屋外務大臣は北京で中国外交部長の王毅氏らと会談し、中国人向けのビザ取得要件の緩和を表明しました。
主な緩和内容
- 個人向け観光マルチビザの有効期間を最長5年から富裕層向けに10年に延長
- 団体旅行向け観光ビザの滞在可能日数を15日から30日に延長
- 65歳以上の中国人の共通個人向けビザ申請時の在職証明書提出を不要化
この発表に対し、SNS上では「65歳以上の中国人をビザなしで入国させる」という誤情報が拡散されました。しかし実際には、在職証明書の提出が不要になるだけで、ビザ自体は引き続き必要です。また、短期観光ビザでの入国者は日本の国民健康保険に加入できません。
これらの誤情報は複数のファクトチェック機関により否定されています。さらに、自民党内の反発により、2025年7月1日時点で緩和措置は実施されていません。
土葬墓地問題とは
2024年11月、岩屋氏がイスラム教徒向けの土葬墓地の全国整備を推進していることが報道され、大きな議論を呼びました。
問題の経緯
大分県佐伯市および杵築市の自民党市議団から要望を受け、岩屋氏はイスラム教徒向けの土葬墓地を「国の責任で全国に整備」するよう政府に働きかけました。
要望の主な内容
- 国が墓地整備の基本方針を示すこと
- 日本全国において国が責任を持ち、複数の地域に土葬対応可能な墓地を確保・整備すること
- 土葬の環境への影響を科学的に検証し、全国共通のガイドラインを作成すること
- 地域住民への説明を、地方自治体への支援を含めて国が行うこと
反対意見の論点
この要望に対し、SNS上では激しい反対意見が出ました。主な懸念点は以下の通りです。
- 水源汚染や公衆衛生上の問題
- 移民受け入れ拡大政策の一環ではないかという不安
- 地域住民の反対意見
- なぜ国の責任で整備する必要があるのかという疑問
自民党内での対立
土葬墓地問題では自民党内でも意見が分かれました。
推進派の主張
- イスラム教の信仰に基づく土葬の尊重
- 多文化共生社会の実現
- 国としてのガイドライン整備の必要性
反対派の主張
- 神戸市議や奈良県高取町議など、約100人近くの自民党地方議員が連名で反対の要望書を提出予定
- 「大分県の問題をなぜ全国に広げるのか」という疑問
- 自民党全体が土葬推進と誤解される懸念
参政党の梅村みずほ参議院議員は、産経新聞の報道を引用し「ある意味さすが」と皮肉を交えたコメントを投稿し、これがSNS上で話題となりました。
更迭要求の背景
岩屋氏に対する更迭要求は、複数の問題が重なり合って発生しました。
オンライン署名活動
- Change.orgで「岩屋毅外務大臣の更迭を求めます」という署名が2025年1月に立ち上がり、数万件の賛同を集めました
- SNS上では「#岩屋毅外務大臣の更迭を求めます」のハッシュタグがトレンド入り
更迭要求の主な理由
- IR事業(カジノ)汚職疑惑:米司法省が2024年11月、中国企業「500ドットコム」の元CEOを起訴。岩屋氏を含む国会議員5人に賄賂を渡したとされる疑惑(本人は否定)
- 中国人ビザ緩和政策:自民党内での議論が不十分だったという批判
- 大阪万博での外国人誘致策:2024年12月25日、外務省が万博参観のために訪日する外国人のビザ手数料を免除すると発表
- 感染症拡大への懸念:中国で呼吸器感染症が拡大しているとの報道と重なり、新型コロナの二の舞を懸念する声
議員宿舎侵入事件
2025年1月23日、外務大臣としてトランプ大統領就任式から帰国した際、赤坂の議員宿舎の自室に面識のない女性が侵入しており、鉢合わせするという事態が発生しました。この事件も「ハニートラップ疑惑」としてSNS上で議論を呼びましたが、詳細は明らかになっていません。
外務大臣退任の経緯
岩屋氏は2025年9月7日の石破首相の辞任表明を受け、同年10月21日に外務大臣を退任しました。
退任に際して岩屋氏は公式サイトで以下のようにコメントしています。
「386日。重責を担わせていただいたこの一年余りの日々は、振り返れば決して平坦な道のりではなく、時に極めて難しい判断や決断を迫られた局面もありました」
石破内閣の総辞職に伴う退任であり、更迭ではありません。その後発足した高市早苗内閣では閣僚には入閣していません。
現在の状況(2025年12月時点)
- 岩屋氏は現在、前外務大臣として衆議院議員を継続
- 中国人向けビザ緩和措置は自民党内の反発により実施されていない
- 土葬墓地問題は引き続き議論が続いている
- 議員定数削減については慎重・反対の立場を表明
まとめ
岩屋毅氏は、防衛大臣や外務大臣を歴任したベテラン政治家ですが、外務大臣在任中の政策判断を巡り様々な議論を呼びました。特に中国人向けビザ緩和や土葬墓地問題では、誤情報も含めSNS上で大きな批判を受けました。
2025年10月に外務大臣を退任しましたが、これは石破内閣の総辞職に伴うものであり、更迭ではありません。現在も衆議院議員として活動を続けています。
政治家の政策や発言を評価する際は、一次情報を確認し、誤情報に惑わされないことが重要です。岩屋氏をめぐる様々な疑惑や批判については、事実関係を冷静に見極める必要があるでしょう。




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