テレビやラジオで活躍する文芸評論家・三宅香帆さん。ベストセラー作家としても知られる彼女は、一体どんな経歴の持ち主なのでしょうか。高校・大学から現在に至るまでを詳しくご紹介します。
この記事でわかること
- 三宅香帆さんの出身高校・大学などの学歴
- 京都大学卒業後のキャリアパスと独立までの経緯
- 現在の活動内容と主な著書・受賞歴
三宅香帆さんは何者?プロフィール
基本情報
- 名前:三宅香帆(みやけ かほ)
- 生年月日:1994年1月12日
- 年齢:31歳(2025年12月時点)
- 出身地:徳島県美馬市(3歳から高知県高知市で育つ)
- 職業:文芸評論家、書評家
- 現在の肩書き:京都市立芸術大学非常勤講師
文芸評論家としての活動
三宅香帆さんは、文学やエンタメ作品の評論を行う文芸評論家として活動されています。新聞や雑誌での書評連載、テレビ・ラジオ出演、講演活動など、幅広い分野で本の魅力を伝える活動を続けています。
2024年には著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が大ヒットし、「第2回書店員が選ぶノンフィクション大賞2024」「第10回ミヤボン2024大賞」を受賞。さらに「第17回オリコン年間本ランキング2024」の新書部門で年間1位を記録し、2025年には「新書大賞2025」も受賞しました。
三宅香帆さんの学歴:高校時代
高知学芸高等学校出身
三宅香帆さんの出身高校は、高知県高知市にある私立の高知学芸中学校・高等学校です。中高一貫校で、1957年設立の伝統ある学校として知られています。
高知学芸高等学校は県内でも有数の進学校で、京都大学をはじめとする難関大学への合格実績も豊富です。三宅さんもこの学校で学力を磨き、京都大学合格への道を切り開きました。
幼少期から大の読書好き
三宅さんは幼い頃から本が大好きで、いつも本を読んでいたといいます。親に図書館やブックオフに連れて行ってもらい、立ち読みも含めてたくさんの本に触れる子供時代を過ごしました。
高校時代には、司馬遼太郎の『燃えよ剣』という小説に深く影響を受けます。新選組が好きになり、京都への憧れを募らせていったのです。また、森見登美彦さんや万城目学さんの小説を読んで、さらに京都への思いが強くなりました。
三宅香帆さんの学歴:大学・大学院時代
京都大学文学部に進学
憧れの京都で学ぶため、三宅さんは京都大学文学部に進学しました。高校生の時には家族で京都を訪れ、京都大学の見学も果たしており、「この大学で学びたい」という思いを強く持っていたといいます。
京都天狼院書店の店長として活躍
大学在学中には、映画館や予備校、飲食店などでアルバイトをしていましたが、特に大きな経験となったのが京都祇園にある書店「天狼院書店京都店」での仕事です。
天狼院書店は、有名な著者から技術を学べる体験ができる「次世代」を見据えた書店で、三宅さんは学生の身でありながら店長に就任しました。2014年8月のことで、この経験が後の作家活動に大きく影響したと語っています。
大学院で萬葉集を研究
京都大学文学部を卒業後、三宅さんは京都大学大学院人間・環境学研究科に進学しました。専門は古典文学で、特に萬葉集を研究対象としていました。
大学院では博士前期課程(修士課程)を修了し、その後博士後期課程に進みます。出会った教授のもとで「より勉強したい」と感じ、研究者の道を目指していた時期もありました。
23歳で著作家デビュー
大学院在学中の2017年、三宅さんは23歳で『人生を狂わす名著50』(ライツ社)を出版し、著作家としてデビューしました。海外文学、日本文学、人文書だけでなく、漫画まで網羅した書評作品で注目を集めます。
しかし、古典文学を研究していく中で「私は研究者には向いていない」と感じるようになり、博士後期課程を中途退学する決断をします。研究者よりも、書評家や作家として本の魅力を多くの人に伝える道の方が自分に合っていると気づいたのです。
三宅香帆さんの経歴:会社員時代
リクルートに就職した理由
2019年、大学院博士後期課程を中途退学した三宅さんは、東京に移住し株式会社リクルートに就職しました。
出版社への就職も考えられましたが、「出版社は副業禁止のイメージがあった」ため、副業を認める文化のあるリクルートを選んだといいます。また、三宅さんは次のようにも語っています。
「私は自我が強いところがあるので、誰かの意思に沿って働くよりも、社長が自分に求めていることが直接伝わらないくらい大きな会社の方が伸び伸びやれると思った」
リクルートでの仕事内容
東京・有楽町のオフィスで勤務し、ウェブマーケティング部でCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)やリスティング広告などの業務に携わりました。マーケティング全般を学ぶ貴重な経験となりました。
兼業作家として執筆活動を継続
リクルートではフルタイム勤務をしながら、休日や隙間時間を利用して執筆活動を続けていました。2019年から2022年にかけても『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』などの著書を発表し、精力的に活動していました。
本が読めなくなった衝撃
しかし、社会人1年目にスマホばかり見てしまって本が読めなくなる事態に陥り、大きなショックを受けます。本が人生の中心だった三宅さんにとって、この経験は深刻な問題でした。
三宅香帆さんの経歴:独立後の現在
2022年8月にリクルートを退職
「本をじっくり読みたい」という思いが強くなり、2022年8月にリクルートを退職して独立を決断しました。約3年半の会社員生活を経て、文芸評論家として食べていく道を選んだのです。
また、2022年9月には結婚し、京都に拠点を移しました。旦那さんが「三宅」姓に変えてくれたため、ペンネームも本名も変わらず「三宅香帆」として活動を続けています。
現在の活動内容
京都を拠点に、文芸評論家として以下のような活動を展開しています。
著書の執筆
2017年のデビュー以来、2025年12月現在までに単著14冊以上を出版。年間2〜3冊のペースで新作を発表し続けています。
主な著書には以下があります。
- 『人生を狂わす名著50』(ライツ社)
- 『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)
- 『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しか出てこない 自分の言葉でつくるオタク文章術』
- 『「好き」を言語化する技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
- 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)
連載・書評活動
複数の雑誌で連載を持ち、新聞の書評も担当しています。
- 連載:『群像』「夫婦はどこへ?」、『Voice』「考察したい若者たち」、『波』「推しとハレ」など
- 書評:毎日新聞「話題の本」、読売新聞「ひらづみ!」、朝日中高生新聞
メディア出演
テレビやラジオにも積極的に出演し、本の魅力を伝えています。
- 「池上彰がいま話を聞きたい30人」(2025年3月、テレビ東京)
- 「オードリー若林 経済のことは3人に聞けばだいたいわかる!!!」(2025年8月、テレビ東京)
- 「三宅香帆のオールナイトニッポン0(ZERO)」(2025年10月、ニッポン放送)
大学での講師活動
京都市立芸術大学の非常勤講師として、後進の育成にも力を入れています。
「働きながら本が読める社会をつくる」をミッションに
現在の三宅さんは、「働きながら本が読める社会をつくる」をミッションに掲げ、読書や物語の魅力、働き方や生き方などについて発信を続けています。
年間365冊もの本を読み続け、その知見を多くの人に届ける活動は、本離れが進む現代において貴重な存在といえるでしょう。
三宅香帆さんの主な受賞歴
2024年の大躍進
2024年は三宅香帆さんにとって飛躍の年となりました。
- 第2回書店員が選ぶノンフィクション大賞2024(『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』)
- 第10回ミヤボン2024大賞(同上)
- 第17回オリコン年間本ランキング2024 新書部門1位(同上)
特にオリコン年間ランキングの新書部門で1位を獲得したことは、三宅さんの著書が幅広い読者に支持されていることを示しています。
2025年の栄誉
- 新書大賞2025(『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』)
書店員や読者から高い評価を受け続けており、文芸評論家としての地位を確立しています。
まとめ
三宅香帆さんは、高知県出身で高知学芸高等学校から京都大学文学部に進学し、大学院では萬葉集を研究していました。大学院在学中の23歳で作家デビューを果たし、その後リクルートに就職して会社員と作家を兼業する生活を送ります。
2022年に「本をじっくり読みたい」という思いから独立を決断し、現在は京都を拠点に文芸評論家として活躍しています。14冊以上の著書を出版し、新聞や雑誌での連載、テレビ・ラジオ出演、大学での講師活動など、幅広い分野で活動を展開しています。
2024年には『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が大ヒットし、複数の賞を受賞。新書大賞2025も受賞するなど、文芸評論家としての地位を確立しました。
「働きながら本が読める社会をつくる」をミッションに掲げる三宅さんの活動は、本離れが進む現代において多くの人に影響を与え続けています。今後のさらなる活躍が期待される文芸評論家です。





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