【村上宗隆】「あかんすよ」の経緯・元ネタを完全解説！阪神戦での伝説の名場面とは

東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手の代名詞となった「あかんすよ」というフレーズ。野球ファンなら一度は耳にしたことがあるこの言葉は、一体どのような経緯で生まれたのでしょうか。今回は、この伝説の名場面を詳しく解説します。

この記事でわかること

「あかんすよ」は、2021年7月6日に行われたプロ野球セントラル・リーグ公式戦、東京ヤクルトスワローズ対阪神タイガース第13回戦で生まれました。この試合で起きた出来事が、後に野球ファンの間で語り継がれる伝説的な場面となったのです。

試合は5回表の阪神の攻撃中に動きました。佐藤輝明選手が打席に立った際、2塁ランナーの近本光司外野手が左手を動かすような仕草をしたため、3塁の守備についていた村上宗隆選手がバッターへのサイン盗みではないかと指摘しました。

村上選手の指摘に対し、阪神の矢野燿大監督が激昂し「絶対やってへんわ、ボケアホ。そんなことするか！」とヤジを飛ばしました。また、井上一樹ヘッドコーチも「ごちゃごちゃ言うな」と声を荒げる場面がありました。

阪神ベンチからの強い言葉に対し、村上選手は「だったら動いたらあかんすよ！」「動かないでくださいよ」と阪神ベンチへ向かって返しました。この時、村上選手は感情的になりながらも、一応敬語を使って抗議していたことが特徴的でした。

実際には、盗塁を得意とする近本選手が牽制球に対応するための動作であり、矢野監督は疑惑を完全否定しました。後日のインタビューで矢野監督は、サイン盗みは絶対にしていないと主張しつつも、誤解を招くような動きがあった可能性については認めるコメントを残しています。

興味深いのは、村上選手が関西弁で返答した点です。村上選手は熊本県出身で高校も九州であり、関西人ではありませんし、所属球団の本拠地も関西ではありません。チームメイトに山田哲人選手など関西出身の先輩が多いことや、相手が関西球団だったことが理由として考えられていますが、はっきりとした理由は不明です。

このやりとりは関係するスポーツ紙などで取り上げられ、以降「あかんすよ」（アカンすよ）はネット用語として主に村上選手関連で使われるようになりました。特に5ちゃんねるの「なんでも実況J（なんJ）」では定型表現として定着し、「何かをしてはいけない、まずい」という意味で広く使われています。

2021年10月頃より「アカンすよスレ」と呼ばれる安価スレが立てられるようになり、ヤクルトの優勝や日本一もあって毎日のように乱立するようになりました。このフレーズは野球ファンに広く浸透し、現在では様々な場面で使われています。

驚くべきことに、この「あかんすよ」は球界内でも完全に定着しました。2022年の侍ジャパンのYouTubeでは、巨人の坂本勇人選手が「遅刻したらアカンすよ！」と発言し、村上選手も一緒に笑う場面が見られるなど、プロ野球選手の間でも親しまれるフレーズとなっています。

「あかんすよ」は、2021年7月6日のヤクルト対阪神戦でのサイン盗み疑惑をめぐる村上宗隆選手と矢野燿大監督のやり取りから生まれた名言です。当時22歳だった村上選手が、監督に対して物怖じせず堂々と抗議する姿が印象的で、多くの野球ファンの心に残りました。

現在では野球界を代表するスラングとして、また村上選手の代名詞として広く親しまれています。プロ野球の熱い一場面から生まれたこのフレーズは、今後も語り継がれていくことでしょう。