2025年6月の東京都議選で千代田区から初当選を果たした佐藤沙織里都議が、大きな注目を集めています。「減税メガネ」の愛称で知られる彼女は、YouTubeで50万人超の登録者数を持つインフルエンサーでもあり、公認会計士・税理士という専門性を武器に都政に新風を吹き込んでいます。本記事では、佐藤沙織里都議の経歴や人物像を詳しく解説します。
この記事でわかること
- 佐藤沙織里都議の生い立ちから都議当選までの経歴
- 公認会計士・税理士としてのキャリアと専門性
- 都議会での活動内容と注目される理由
佐藤沙織里都議のプロフィール
基本情報
- 氏名: 佐藤沙織里(さとうさおり)
- 生年月日: 1989年7月28日(35歳・2025年12月時点)
- 出身地: 茨城県
- 現職: 東京都議会議員(千代田区選出、無所属)
- 資格: 公認会計士、税理士
- その他: YouTuber、減税党党首、会計事務所代表
選挙区での快挙
2025年6月の都議選において、佐藤氏は千代田区選挙区(定数1)で現職の都民ファーストの会副代表・平慶翔氏をわずか246票差で破り、初当選を果たしました。平氏はタレント・平愛梨の弟として知られる現職でしたが、佐藤氏は無所属・選挙カーなしという厳しい条件下で勝利を収めました。
壮絶な生い立ちと高卒からの挑戦
貧困家庭での成長
佐藤氏は4人兄弟の次女として、自営業の父と介護士の母のもとで育ちました。家計は非常に厳しく、年収200万円という環境の中で、幼い頃から医師になる夢を抱いていましたが、経済的な事情から進学の選択肢は大きく制限されていました。
高校時代の苦労
茨城県内の公立高校に進学した佐藤氏は、学費を稼ぐためガソリンスタンドやコンビニでアルバイトをこなしながら、東京まで出稼ぎもしていました。学業面では学年トップクラスの成績を収め、学費がかからず給料ももらえる防衛医科大学校を志望しましたが、体重制限により入学を断念せざるを得ませんでした。
過酷な労働環境からの転換
高校卒業後、佐藤氏は大学進学せず株式会社Kings Knowに就職し、レストランのコンサルティング業務に従事しました。しかし、月500時間という過酷な労働環境で体を壊し、「体力勝負の仕事は長く続けられない」と悟ります。この経験が、彼女を公認会計士を目指す道へと導きました。
公認会計士への挑戦と成功
23歳からの逆転劇
23歳で公認会計士を目指すことを決意した佐藤氏ですが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。高卒で数学や経済の基礎知識もほとんどない状態から、専門学校への入学を試みますが、当初は門前払いを受けることもありました。
難関試験への挑戦
公認会計士試験は、合格率7~10%という東大生でも合格が難しいとされる超難関試験です。佐藤氏は働きながら専門学校に通い、時には涙を流しながら特別席で勉強を続けました。最初の試験では1点差で不合格となりますが、諦めずに挑戦を続けました。
26歳で合格、大手監査法人へ
3年間の努力の末、26歳で公認会計士試験に合格。2016年に有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)に入社し、監査・税務および内部監査室を兼任しました。その後、2019年にはデロイトトーマツ税理士法人へ移籍し、さらに専門性を高めていきます。
独立・起業から政治の世界へ
2020年:独立開業
30歳となる2020年、佐藤氏は独立を決意し、佐藤沙織里公認会計士事務所・佐藤沙織里税理士事務所(現:銀座エス会計事務所)を同時設立しました。障がい者と高齢者を積極採用するなど、社会的配慮のある経営を行っています。
実業家としての活動
会計事務所経営に加え、以下のような企業の役員も歴任しています。
- 株式会社GA technologies 社外取締役(2022年~)
- 株式会社ふかまる 代表取締役(2022年~)
- 株式会社ファミリーコーポレーション 経営企画室長(2021年)
政治家を志したきっかけ
大手監査法人で働く中で、佐藤氏は同僚が子育てと仕事の両立ができず苦しむ姿や、過労で倒れる人々を目の当たりにしました。「企業の福利厚生では限界がある。社会を変えるには政治しかない」という思いが、彼女を政治の世界へと駆り立てました。
YouTubeでの情報発信
登録者数50万人超のインフルエンサー
佐藤氏はYouTubeチャンネル「さとうさおり 公認会計士」を運営しており、2025年10月時点で登録者数は50万人を超えています。約2年間で400本以上の動画を投稿し、税金の問題や財務省への批判、減税政策をわかりやすく発信してきました。
SNSを駆使した選挙戦略
都議選では、選挙カーもなく、マイクとチラシ、SNSだけが武器という選挙戦を展開しました。街頭演説の様子は配信者らによって動画サイトに投稿され、「切り抜き動画」がネット上に多数拡散。動画の再生回数は1万~2万回に上り、若い世代を中心に支持を集めました。
政治活動の経歴
2022年~2023年:政治活動の始まり
- 2022年:政治家女子48党に参加、株式会社政治家女子48党の社長として法人化
- 2023年:NHK党所属で千代田区議会議員選挙に出馬(落選)
- 自身の政治団体「さ党」(後の減税党)を設立
2024年~2025年:選挙への挑戦
- 2024年:千代田区長選挙に出馬、現職に迫る次点(大きな話題に)
- 2024年:衆議院議員選挙に東京1区から無所属で出馬、1万2千票以上を獲得(落選)
- 2025年6月:東京都議会議員選挙(千代田区)で初当選
都議としての活動と注目の質疑
2025年10月:初の一般質問で大きな反響
2025年10月2日、佐藤氏は初めての一般質問に立ち、都議会で異例の事態が起こりました。この日用意された傍聴券186枚が開会前に全てなくなり、傍聴席の大半が埋まるという近年聞いたことのない現象が発生しました。
質疑の内容
佐藤氏は公認会計士・税理士の専門知識を活かし、以下のような問題を追及しました。
- 都営住宅等事業特別会計の消費税未申告問題
- 補助金透明性の欠如
- 宿泊税増税の不公平さ
- 外国人患者の未払い医療費問題
事前の答弁調整なしの「直球勝負」で都政の隠蔽体質を追及する姿勢は、傍聴席から大きな拍手が巻き起こるほどの支持を集めました。
YouTubeで爆発的な視聴回数
質疑の様子を収めたYouTube動画の視聴回数は爆発的に伸び、都民の間で「これぞ本物の政治」と話題になりました。傍聴席からの拍手は議長が注意するほどで、「ご静粛に願います。従わないときは退場を命じます」という異例の場面もありました。
政策と主張
3つの柱
佐藤氏の政策は以下の3点を軸としています。
- 減税: 個人都民税10%減税など
- 社会保険料削減: 手取りを増やす政策
- 歳出改革: 無駄な税金の使い方を見直す
その他の政策
- 日本の伝統を守る
- 共働き世帯が我慢しない日本を
- 違法外国人ゼロ(外国人土地取得規制の導入など)
- 日本の治安を取り戻す
「減税メガネ」の愛称
トレードマークのメガネ姿と減税政策を前面に打ち出すスタイルから、支持者からは「減税メガネ」という親しみやすい愛称で呼ばれています。
佐藤沙織里都議の人物像
行動力と粘り強さ
貧困家庭で育ちながらも、高卒から公認会計士という難関資格を取得した経歴は、彼女の粘り強さと努力を物語っています。体を壊すほどの過酷な労働環境を経験したからこそ、働く人々の苦しみを理解し、社会を変えたいという強い意志を持っています。
SNS時代の新しい政治家像
従来の政治家とは異なり、YouTubeやSNSを駆使した情報発信で支持を広げる佐藤氏は、まさに「SNS時代の新しい政治家像」と言えます。選挙カーもなく、組織票もない中で当選を果たした事実は、時代の変化を象徴しています。
庶民目線の政策提言
自身の貧困経験や、祖父の介護のつらさを見てきたことから、育児や介護福祉の充実、働く女性の声を政治に届けることの重要性を訴えています。「税金で苦しむ人を減らしたい」という信念は、幼少期の経験が原動力となっています。
まとめ
佐藤沙織里都議は、貧困家庭出身で高卒ながら、公認会計士・税理士という難関資格を取得し、会計事務所経営、企業役員、YouTuber、そして都議会議員と、多彩なキャリアを築いてきた異色の政治家です。
2025年6月の都議選では、無所属・選挙カーなしという厳しい条件下で現職を破り初当選を果たし、10月の初質疑では傍聴券が完売するという異例の注目を集めました。公認会計士としての専門知識を活かした鋭い追及と、YouTubeで50万人超の登録者を持つ発信力は、今後の都政に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。
「減税」「社会保険料削減」「歳出改革」を掲げ、既存の政治スタイルに縛られない柔軟な姿勢と庶民目線の政策提言で、都民から高い支持を得ている佐藤都議。その今後の活動から目が離せません。





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