サラ・ザフチェとは何者?2025年ミス・フィンランドの経歴と称号はく奪の経緯を解説

政治
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2025年12月、フィンランドの美の象徴として輝いていたサラ・ザフチェさんが、SNS上の写真をめぐって称号をはく奪されるという前代未聞の事態が発生しました。ミス・フィンランド協会が90年以上の歴史で初めて下したこの決断は、国内外で大きな波紋を広げています。一体サラ・ザフチェさんは何者なのか、そしてなぜこのような事態に至ったのでしょうか。

この記事でわかること

  • サラ・ザフチェさんのプロフィールと多文化的な生い立ち
  • ミス・フィンランド選出からミス・ユニバース出場までの経歴
  • 「つり目」写真騒動の詳細と称号はく奪に至った経緯
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サラ・ザフチェのプロフィール

サラ・ザフチェさんは、フィンランド北部のオウルで生まれ、その後クオピオで育った22歳の女性です。彼女の最大の特徴は、その国際的なバックグラウンドにあります。

多文化的な家庭環境

  • 父親:コソボ出身(アルバニア系)
  • 母親:フィンランド人
  • 出身地:オウル(現在はクオピオ在住)
  • 年齢:22歳(2025年時点)

サラさん自身、ミス・フィンランド選出時のインタビューで「多文化的な背景が私に強さと自信を与えた」と語っており、「この経験は、人々にもっとオープンに接し、この世界をさまざまな視点から見るのに役立ちました」と述べていました。

彼女の優勝は、フィンランド国内外のコソボ人コミュニティから誇りを持って歓迎されていました。

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ミス・フィンランドとしての活動経歴

2025年9月:ミス・フィンランド優勝

サラさんは2025年9月にエスポーで開催されたミス・フィンランドのコンテストで見事グランプリに輝きました。多様性の象徴として選ばれた彼女は、フィンランドの美の代表として注目を集めました。

2025年11月:ミス・ユニバース世界大会出場

フィンランド代表としてミス・ユニバース世界大会にも出場しました。世界大会での入賞は逃したものの、フィンランド国内では知名度のある存在となっていました。

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「つり目」写真騒動の詳細

問題の写真とは

2025年11月下旬から12月初旬にかけて、SNS上で拡散された写真が物議を醸しました。

写真の内容

  • レストランと思われる場所で撮影
  • 両手の人差し指で目尻を吊り上げるような仕草
  • 満面の笑みを浮かべている様子
  • フィンランド語で「kiinalaisenkaa syömas(中国料理)」というキャプション付き

この写真は、匿名性の高いSNSアプリ「Jodel」などを中心に拡散され、欧米圏でアジア人に対する差別表現として用いられる「つり目」ジェスチャーではないかとして批判を集めました。

サラさんの釈明

フィンランドの大衆紙「イルタ・サノマット」が2025年12月1日に行ったインタビューで、サラさんは以下のように説明しました。

「友人とレストランで食事をしていた時、ひどい頭痛と目の痛みに襲われました。テーブルに寄りかかり、こめかみをこすって目を伸ばしました」

彼女は、撮影したのは友人であり、「中国料理」というキャプションも友人が勝手に記したものだと主張しました。さらに、「いかなる種類の人種差別も、たとえ冗談であっても受け入れない」と強調し、自身も幾度となく人種差別を受けてきた過去があることを明かしました。

12月8日:公式謝罪

批判が収まらない中、サラさんは12月8日にインスタグラムで謝罪の投稿を行いました。

「私の行動が多くの方に不快な思いをさせ、心を痛めさせてしまったことを、十分に理解しています。決して、どのような形であれ、そのような意図はありませんでした」

「私にとって最も大切なことの一つは、人々の背景や違いを尊重することです。誰もが自分らしくいられ、尊重され、価値ある存在として扱われるべきだと考えています」

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ミス・フィンランド協会の対応と称号はく奪

12月10日:協会による公式声明

ミス・フィンランド協会は12月10日、公式インスタグラムで以下のように表明しました。

「ミス・フィンランド協会は、いかなる形においても人種差別や差別的行為を一切容認しないことを明確かつ断固として表明します」

「経緯を徹底的に検証し、責任の所在を明確化し、今後の対応を決定します」

12月11日:称号はく奪の発表

専門家と協議し、サラさんと直接話し合い、一連を徹底的に検証した結果、協会は12月11日に称号のはく奪を発表しました。

協会の説明
「この決定は個人の人間的価値ではなく、責任に関わるものです。個人が国家および国際的な代表役を担う場合、行動と責任は切り離せない。ミス・フィンランドは模範となる立場にあり、出身地・背景・外見に関わらず全ての人々を尊重することが求められます」

協会は、コンテストが1931年から開催されている歴史ある大会であり、称号は「尊敬、平等、責任、人間の尊厳」といった国の価値観を体現するものであると強調しました。

新ミス・フィンランドの誕生

称号ははく奪されましたが、協会は「人は成長し学び続けることができます。それは常に可能なことです」とも述べ、サラさんの今後の活躍を祈るコメントも添えました。

ミス・フィンランドの大会規定と慣例に従い、称号は9月のコンテストで次点だったタラ・レートネンさんに引き継がれました。

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騒動をめぐる反響

フィンランド国内の反応

この騒動をめぐっては、フィンランド国内でも賛否両論がありました。

極右とも称される「フィン人党」所属の国会議員、ユホ・エーロラ氏(50)は12月12日、サラさんと同じように両目を吊り上げて笑う自身の写真をFacebookのプロフィール写真に設定し、「私はサラ!」と綴って連帯を示しました。

エーロラ氏はメディアのインタビューに対し、サラさんには人種差別をする意図も、中国人を揶揄する意図もなかったと主張しました。

国際的な批判

一方、日本を含むアジア各国のSNSでは、「アジア人差別」として強い批判の声が上がりました。特にアジア系コミュニティからは、ミス・フィンランドという公的な立場にある人物の行動として不適切だとする意見が多数寄せられました。

まとめ

サラ・ザフチェさんは、コソボ系フィンランド人として多文化的な背景を持ち、多様性の象徴として2025年のミス・フィンランドに選ばれました。しかし、SNS上で拡散された「つり目」写真が人種差別的なジェスチャーとして批判を集め、本人の釈明や謝罪にもかかわらず、ミス・フィンランド協会によって称号をはく奪されるという結果となりました。

この事件は、公的な立場にある人物の責任の重さと、SNS時代における発信の影響力の大きさを改めて示す出来事となりました。協会は「人は成長し学び続けることができる」としながらも、国を代表する立場における責任の重要性を強調しています。

サラさん自身も記者会見で「ソーシャルメディアでの私の行動によって不快な思いをさせ、傷つけたすべての人に深くお詫び申し上げます」と謝罪しており、今後の成長が期待されています。

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