NHK党党首として知られる立花孝志氏が、2025年11月9日に兵庫県警により名誉毀損の容疑で逮捕されました。本記事では、今回の逮捕の経緯や過去の逮捕歴、現在の状況について詳しく解説します。
2025年11月の逮捕について
逮捕の経緯と容疑
2025年11月9日午前3時42分、兵庫県警は堺市堺区の駐車場で立花孝志容疑者(58)を名誉毀損の容疑で逮捕しました。
逮捕容疑は、2025年1月に亡くなった竹内英明元兵庫県議について、虚偽の情報を拡散したというものです。具体的には以下の内容が問題視されています。
- 2024年12月13〜14日:大阪府泉大津市長選の街頭演説で「警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」と発言
- 2025年1月19〜20日:SNSや埼玉県川越市議補選の応援演説で「明日逮捕される予定だった」などと虚偽情報を発信
これらの発言について、兵庫県警は「事実無根」「明白な虚偽」と完全に否定しています。
告訴までの流れ
竹内英明元県議は、兵庫県知事の疑惑を調査する百条委員会の委員として活動していましたが、SNSなどによる誹謗中傷が過熱し、2024年11月に議員を辞職。その後、2025年1月に自宅で死亡が確認されました。
竹内氏の妻は2025年8月に立花容疑者を名誉毀損容疑で刑事告訴し、それが今回の逮捕につながりました。妻は「声を上げないと誹謗中傷はやまない。命を絶った夫の尊厳を守りたい」と訴えていました。
過去の逮捕歴と有罪判決
2023年3月の有罪判決確定
立花氏は今回が初めての逮捕ではありません。2023年3月22日には、以下の罪で懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決が最高裁で確定しています。
確定した罪状:
- 不正競争防止法違反(NHK集金人の業務端末を撮影して個人情報を不正取得)
- 威力業務妨害(NHKに対して「個人情報を拡散する」と迫った)
- 脅迫罪(元NHK党の地方議員を「徹底的に人生潰しに行く」とネット上で発言)
この判決は2019年の事件に関するもので、NHK受信契約に関する個人情報50件を動画撮影し、一部を修正してYouTubeに投稿してNHKの業務を妨げたとされています。
執行猶予中の再逮捕という重大性
実刑の可能性が高い理由
今回の逮捕が特に重大なのは、立花容疑者が執行猶予期間中だったという点です。執行猶予は2027年3月22日までの期間が設定されており、その期間中に新たな犯罪を犯したことになります。
法律の専門家によると、執行猶予期間中に拘禁刑以上の刑が確定した場合、執行猶予は必ず取り消されます。その場合、前回の懲役2年6月と今回の刑罰が合算されることになります。
仮に今回の名誉毀損罪で懲役刑が確定した場合、前回の刑期と合わせて実刑判決となり、刑務所に収監される可能性が高いと指摘されています。
異例の逮捕措置
今回の事件では、以下の点が異例とされています。
- 死者に対する名誉毀損での立件:兵庫県警も「過去に逮捕事例があるのかは把握していない」と述べています
- 逮捕という強制措置:名誉毀損事件では通常、在宅起訴が一般的ですが、今回は逮捕に踏み切りました
- 任意聴取に応じていたにも関わらず逮捕:立花容疑者はこれまで複数回の任意聴取に応じていました
兵庫県警は、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断したと説明しています。
立花孝志氏の現在の状況
書類送検と今後の流れ
立花容疑者は11月9日に逮捕された後、検察に送検されました。今後は以下のような流れが予想されます。
- 検察による取り調べ
- 起訴・不起訴の判断
- 起訴された場合は裁判
- 有罪判決が確定すれば執行猶予取り消しの可能性
NHK党は逮捕を受けて、公式ホームページとX(旧Twitter)に謝罪文を掲載しました。
他にも抱える法的問題
立花氏は竹内元県議以外にも、同じく兵庫県議会の百条委員会で活動していた奥谷謙一県議や丸尾牧県議からも、SNSなどで虚偽内容を投稿されたとして名誉毀損容疑で刑事告訴されたり、民事訴訟を起こされたりしています。
まとめ
立花孝志氏は2025年11月9日、名誉毀損容疑で逮捕されました。これは2023年に確定した懲役2年6月、執行猶予4年の期間中の出来事であり、今回有罪判決が確定すれば実刑となる可能性が高い状況です。
死者に対する名誉毀損での立件という異例の事態となった今回の事件は、SNS時代における誹謗中傷の問題の深刻さを改めて浮き彫りにしました。
本記事の情報は2025年11月10日時点のものです。今後の捜査や裁判の進展により、状況が変わる可能性がありますのでご了承ください。



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