台湾有事とは?日本への影響を高校生でもわかりやすく解説!ゲーム機が作れなくなるって本当?

政治
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台湾有事とは、中国が台湾に対して軍事攻撃を行うことで起きる緊急事態のことです。

中国は昔から「台湾は中国の一部だ」と主張していますが、台湾は実際には独立した政府を持ち、民主主義の国として機能しています。しかし中国の習近平国家主席は、台湾を中国の支配下に置くことを重要な目標としています。

2024年1月、台湾で総統選挙があり、中国と距離を置く民進党の頼清徳氏が当選しました。これに対して中国は、台湾周辺で大規模な軍事演習を繰り返すようになり、緊張が一気に高まっています。

中国軍の戦闘機が台湾の防空識別圏(国が安全のために設定した空域)に入る回数は、この2年でほぼ2倍に増えました。元首相の安倍晋三さんが「台湾有事は日本有事」と言ったように、この問題は日本にとって非常に深刻なのです。

「有事」とは、戦争や事変、大規模な自然災害などの国家や企業にとっての非常事態のこと。対疑義は「平時」で、危機が起きていない通常の状態を指します。

日本の経済はどうなる?

スマホもゲーム機も作れなくなる?

台湾有事が起きると、私たちの生活に直結する大問題が発生します。それが半導体の供給ストップです。

半導体とは、スマートフォン、パソコン、ゲーム機、自動車など、あらゆる電子機器に必要な部品です。実は世界の半導体の約7割が台湾で作られています。特にTSMC(台湾積体電路製造)という会社は、世界シェアの半分以上を持つ巨大企業です。

もし台湾有事が起きて中国軍が台湾周辺の海を封鎖したら、半導体が日本に届かなくなります。すると新しいスマホは作れない、自動車も作れない、家電製品も作れないという状態になってしまうのです。

日本経済への打撃はどれくらい?

経済の専門家たちの計算によると、台湾有事が起きた場合、最悪のケースでは日本のGDP(国内総生産=日本全体で1年間に生み出される価値)が最大10%も減る可能性があるそうです。

台湾北部の新竹サイエンスパークは「台湾のシリコンバレー」と呼ばれる半導体工場の集積地だ。近年は中国の脅威への懸念が高まる。台湾有事となればサプライチェーン(供給網)が受ける打撃も大きく、世界の国内総生産(GDP)を最大10%押し下げるとの試算もある。

日本経済新聞『台湾・半導体、防空を懸念 有事なら世界GDP10%減』2025.11.11

これは新型コロナのときの約3倍の経済的ダメージです。わかりやすく言えば、日本全体が「超不景気」に突入し、就職難や給料カット、失業者の増加などが起こる可能性があります。

台湾の小さな島への限定的な攻撃だけでも、GDPが1〜1.5%減少すると予測されています。

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物を運ぶルートが使えなくなる

台湾有事は、日本への物資の輸送にも大きな影響を与えます。

日本は石油やガスのほとんどを中東から輸入していますが、そのタンカーは台湾の南にあるバシー海峡という海を通って日本にやってきます。このルートは日本の「命綱」とも言える重要な航路です。

引用:西日本新聞

もし台湾有事が起きれば、この航路が危険になり、タンカーが通れなくなる可能性があります。すると以下のような事態が起こります。

  • ガソリンや灯油が不足して価格が高騰する
  • 電気が足りなくなる可能性がある
  • 食料の輸入が止まり、スーパーから商品が消える

私たちの日常生活が直接、深刻な影響を受けるのです。

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台湾にいる日本人はどうなる?

台湾には約2万人以上の日本人が住んでいると言われています。日本企業で働いている人やその家族が多いです。

台湾有事が起きたら、これらの日本人をどうやって安全に避難させるかが大きな問題になります。飛行機や船が使えなくなる可能性もあり、救出作戦は非常に難しいものになります。

また、台湾に工場や事業所を持つ日本企業も、大きな損害を受けることになります。

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日本も戦争に巻き込まれる?

日本はアメリカと「日米安全保障条約」を結んでいます。これは「アメリカが日本を守る」という約束ですが、逆に「日本もアメリカを助ける」という側面もあります。

もしアメリカが台湾を守るために中国と戦うことになれば、日本も自衛隊を派遣する可能性があります。日本の法律では「日本と密接な関係にある国への攻撃が、日本の存立を脅かす場合」に自衛隊が出動できることになっています。

ただし、もし自衛隊が中国軍と戦えば、日本本土が中国から攻撃される危険性も出てきます。これは非常に深刻な事態です。

また、自衛隊の出動には国会の承認が必要なため、政治的な対立があると迅速に動けない可能性も指摘されています。

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日本はどんな準備が必要?

依存先を分散させる

台湾や中国だけに頼らず、いろいろな国から部品や製品を買えるようにすることが大切です。これを「サプライチェーンの多様化」と言います。

例えば、半導体を台湾だけでなく、アメリカやヨーロッパ、日本国内でも作れるようにすることです。実際に日本政府は、TSMCを熊本に誘致して工場を建設しています。

エネルギーと食料の備蓄

海上ルートが使えなくなっても困らないように、石油や食料を日本国内にたくさん備蓄しておくことが必要です。

現在、日本は約200日分の石油備蓄を持っていますが、それでも長期化すれば不足する可能性があります。また、食料自給率を上げる努力も重要です。

企業や個人の備え

台湾に拠点がある日本企業は、従業員をどう避難させるかの計画を作っておく必要があります。

私たち個人も、「台湾有事は遠い話ではない」という意識を持ち、災害時と同じように、いざというときの備えをしておくことが大切です。

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まとめ

台湾有事は、私たちの生活に直接影響する可能性がある重大な問題です。

  • スマホや車が作れなくなる(半導体不足)
  • 石油や食料が届かなくなる(輸送ルートの遮断)
  • 経済が大打撃を受ける(GDP15%減少の可能性)
  • 日本も戦争に巻き込まれる可能性がある

今すぐ台湾有事が起きるとは限りませんが、中国が軍事力を強めている以上、「起きないだろう」と楽観視することはできません。

政府は外交努力を続けながら、万が一に備える必要があります。そして私たち一人ひとりも、この問題について正しく理解し、関心を持ち続けることが大切です。

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