麻雀のプロ団体を調べていると、日本プロ麻雀連盟と日本プロ麻雀協会という似た名前の組織が出てきて混乱していませんか。この二つは全く別の団体で、それぞれ異なる特徴を持っています。
この記事でわかること
- 日本プロ麻雀連盟と日本プロ麻雀協会の基本的な違い
- それぞれの団体のルールや特徴の違い
- どちらの団体に所属するプロがいるか
日本プロ麻雀連盟と日本プロ麻雀協会は別団体
まず大前提として、日本プロ麻雀連盟と日本プロ麻雀協会は完全に別の組織です。
日本には複数の麻雀プロ団体が存在しており、この二つはそれぞれ独立して運営されています。主要な麻雀プロ団体としては、この二団体のほかに最高位戦日本プロ麻雀協会、RMU、麻将連合の5つが挙げられます。
名称の違いに注意
正式名称は以下の通りです。
- 日本プロ麻雀連盟(にほんプロマージャンれんめい)
- 日本プロ麻雀協会(にほんプロマージャンきょうかい)
略称では、連盟を「連盟」、協会を「協会」と呼び分けます。
設立の歴史と規模の違い
日本プロ麻雀連盟
日本プロ麻雀連盟は1981年3月6日に設立されました。
初代会長は「ミスター麻雀」として知られる小島武夫プロが務めました。当時乱立していた小さな団体を一つにまとめ、麻雀界全体を盛り上げるために創設されました。
2013年4月からは三代目会長として森山茂和が就任し、現在まで運営を続けています。2023年時点で7つあるプロ団体の中で所属人数が最も多い団体です。
事業目的は、麻雀専門棋士による競技麻雀の開催を通じ、職業棋士の育成と社会的地位の向上を図り、健全なる麻雀遊戯の普及と発展に貢献することです。
日本プロ麻雀協会
日本プロ麻雀協会は2001年に土井泰昭によって創設されました。
最高位戦日本プロ麻雀協会に所属していた土井泰昭が独立する形で設立した団体です。2010年に法人化され、2022年4月時点の代表は五十嵐毅です。
協会は比較的新しい団体ですが、最高位戦日本プロ麻雀協会、RMU、麻将連合と関係を密にしており、「麻雀スリアロチャンネル」などで交流機会が多いことが特徴です。
ルールの違い
両団体の最も大きな違いは、採用している麻雀ルールにあります。
日本プロ麻雀連盟のルール
連盟は「日本プロ麻雀連盟公式ルール」を採用しています。
主な特徴は以下の通りです。
- 30000点持ちの30000点返し
- 一発なし
- 裏ドラなし
- カンドラなし
- カン裏なし
- オカなし
- 順位ウマは30000点以上の人数で変動する独特のシステム
連盟ルールの特徴は、一発や裏ドラといった偶発的な役を排除し、運要素を減らして競技性を高めている点です。一局一局で最善の手組みをする純粋な麻雀の実力を競うルールとなっています。
ただし、タイトル戦によっては一発・裏ドラ・カンドラを含むルールを採用する大会もあります。
日本プロ麻雀協会のルール
協会は「日本プロ麻雀協会公式ルール」を採用しています。
主な特徴は以下の通りです。
- 25000点持ちの30000点返し
- 一発あり
- 裏ドラあり
- カンドラあり
- カン裏あり
- オカあり
- 順位ウマ10-30
協会ルールの最大の特徴は、オカありとウマ10-30を採用していることです。これにより、トップを取ることが最も重要視されるルールになっています。
例えば、1位は+50ポイント(オカ20ポイント+ウマ30ポイント)、2位は+10ポイント、3位は-10ポイント、4位は-30ポイントとなります。
一般的な麻雀ルールに近い形で、一発や裏ドラなどの偶発役も採用されているため、よりドラマチックな展開が生まれやすいルールです。
また、役満の複合が認められていることも大きな特徴です。
ルールの競技性の違い
連盟は運要素を減らし、純粋な技術力を競う競技性の高いルールを採用しています。一方、協会は一般的な麻雀に近いルールで、トップの価値を高めた順位戦形式になっています。
どちらが優れているということではなく、それぞれの団体の考え方や方針の違いを反映したルール設定となっています。
主要タイトル戦の違い
日本プロ麻雀連盟の主要タイトル
連盟の四大タイトルは以下の通りです。
- 鳳凰位:1984年創設の団体最高峰タイトル。連盟所属プロのリーグ戦で、A1リーグ上位3名と現鳳凰位の4名で決定戦を行います。現鳳凰位はHIRO柴田プロです。
- 十段位:1984年創設のトーナメント方式タイトル戦。連盟所属プロのみ参加可能です。現十段位は三浦智博プロです。
- 王位:1973年創設の歴史あるタイトル戦。他団体プロやアマチュアも参加できるプロアマ混合戦です。現王位は三浦智博プロです。
- 麻雀マスターズ:一発・裏ドラ・赤牌ありのルールで行われるプロアマ混合戦です。
女流タイトルとしては、女流桜花(現女流桜花は魚谷侑未プロ)があります。
日本プロ麻雀協会の主要タイトル
協会の主要タイトルは以下の通りです。
- 雀王戦:協会所属雀士による団体最高峰タイトルのリーグ戦。A1からF1まで14段階のリーグに分かれています。
- 雀竜位:雀王戦とは別のリーグシステムで、短期決戦形式です。
- 女流雀王:協会所属の女流雀士によるリーグ戦。A・B・Cの3段階のリーグに分かれています。
- 日本オープン:プロアマ混合戦で他団体の雀士も参加可能なオープンタイトルです。
所属プロと提携関係の違い
日本プロ麻雀連盟の所属プロ
連盟は2023年時点で所属人数が最も多いプロ団体です。
著名なプロとしては以下のような選手が所属しています。
- 荒正義
- 二階堂亜樹、二階堂瑠美
- 佐々木寿人
- 前原雄大
- 三浦智博
- HIRO柴田
連盟はKONAMIが運営する「麻雀格闘倶楽部」と提携しており、多くの所属プロが出演しています。また、オンライン麻雀サイト「龍龍」を公認しています。
日本プロ麻雀協会の所属プロ
協会には以下のような実力派プロが所属しています。
- 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
- 仲林圭
- 渋川難波
- 逢川恵夢
協会はアーケードゲーム「セガネットワーク対戦麻雀MJシリーズ」に全面協力しています。また、麻雀に特化したSNS「はこてんパラダイス」に多くのプロが参加し、一般ファンとの接点を広げる活動を積極的に行っています。
協会は最高位戦日本プロ麻雀協会、RMU、麻将連合と関係を密にしており、団体間の交流が活発です。
Mリーグとの関係
2018年に発足したプロ麻雀リーグ「Mリーグ」には、両団体から多くのプロが参加しています。
Mリーグは各企業がスポンサーとなったチームが、ドラフトによって各団体から選手を指名する形式です。そのため、連盟所属のプロも協会所属のプロも、同じMリーグの舞台で対戦しています。
Mリーグのルールは、一発・裏ドラ・赤牌ありの25000点持ち30000点返し、順位ウマ30-10で、どちらの団体のルールとも異なる独自ルールを採用しています。
まとめ
日本プロ麻雀連盟と日本プロ麻雀協会は、以下のような違いがあります。
設立年と規模
- 連盟は1981年設立で所属人数が最も多い老舗団体
- 協会は2001年設立で比較的新しい団体
ルールの特徴
- 連盟は運要素を減らした競技性重視のルール
- 協会はトップ重視で一般麻雀に近いルール
タイトル戦
- 連盟は鳳凰位、十段位、王位、麻雀マスターズが四大タイトル
- 協会は雀王戦、雀竜位、女流雀王などが主要タイトル
提携関係
- 連盟は麻雀格闘倶楽部、龍龍と提携
- 協会はMJシリーズ、はこてんパラダイスと提携
どちらの団体も日本の麻雀界の発展に貢献しており、それぞれの特徴を理解することで麻雀プロの世界をより深く楽しむことができます。Mリーグをきっかけに麻雀プロに興味を持った方は、各団体の特徴を理解した上で、好きなプロの所属団体の試合を観戦してみるのもおすすめです。



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